「アゲハの幼虫が蛹(サナギ)になったけれど、なかなか蝶(チョウ)にならない」「アゲハの蛹(サナギ)の色が変だ」「優しくつついても動かない」といった場合、『ヤドリバエ』に寄生されている可能性があります。
ヤドリバエに寄生されてしまった場合、とても残念ですが、ほとんどの蛹(サナギ)は羽化することができず死んでしまいます。
アゲハの蛹(サナギ)が羽化しない、色が変だ
「大切に育てたアオムシがやっとサナギになり、あとはチョウになるのを待つばかり」と思ってから数日、サナギの様子が「おかしいな?」と感じることがあります。
一番わかりやすいのは、「(優しく)つついてもサナギが動かない」といった場合です。
虫かごを揺らすと「ひょこひょこ」動いていたサナギが、つついても動かなくなってしまうのです。
あとはサナギの「色」です。
最初は緑だったサナギが「薄茶色」に変わってしまう。
まだ暑い夏なのに「やけに枯れた茶色」のサナギになってしまう。(*周りの環境にあわせて「茶色」くなることもあります)
そんなサナギは、とても残念ですが、誰一人として蝶(チョウ)になることができませんでした。
すべて『ヤドリバエ』に寄生されてしまっていたのです。
虫かごの中にクリーム色の蛆虫(ウジムシ)がいる!
はじめて『ヤドリバエ』の幼虫を見つけた時は、とても驚きました。
なんとなく「サナギの様子が変だな」とおもって数日、ある日突然、虫かごの中にクリーム色のウジムシがいたのです!
大きさは1センチ弱。のそのそ動き回っています。
「気持ち悪い!」と思うのと同時に「どこから入ったんだ?」という疑問が出てきました。
虫かごを調べてみても、特におかしいところはありません。
ふとサナギをみてみると、なんと!サナギに透明な液体がついています。
「?」
あわててサナギを観察してみると、透明な液体はサナギから漏れていることがわかりました。
やさしくサナギにさわってみたところ、サナギの中はスカスカで、穴が空いているのがわかりました。
クリーム色のウジムシは、サナギからでてきて、虫かごの中を這いずり回っていたのです。
ヤドリバエの寄生を防ぐ方法はあるのか?葉っぱに注意。
いろいろ調べてみましたが、はっきりと防ぐ方法は見つけることができませんでした。
一つ分かったことは、「アオムシが葉っぱと一緒にヤドリバエの卵を食べてしまい、寄生されてしまう場合がある」ということです。
寄主が食草とともに卵を摂食することにより寄生する
ヤドリバエの寄生探索行動と繁殖戦略 (国際農林水産業研究センター 中村 達・一木 涼子 ) | 日本植物防疫協会 植物防疫アーカイブ
ヤドリバエの卵をGoogle先生の画像検索で調べてみたら、どうも『黒いポチッとしたもの』らしいとわかりました。
それ以来、アオムシに葉っぱをあげる時は
- よく観察してきれいな葉っぱを選ぶ
- 汚れや黒い点をみつけたら、きれいに拭き取る
といったことに注意してあげています。
アオムシが食べる葉っぱについて
アオムシが食べる葉っぱについては、こちらからどうぞ