アオムシが秋や冬間近に蛹化(蛹になること)しサナギになった場合、そのまま冬を越し、初夏に羽化してアゲハ蝶になることがあります。
越冬することは知識では知っていましたが、この目で見るまでは信じられませんでした。
秋口、サナギがなかなか羽化しないときは?
秋口、サナギがなかなか羽化しないと「死んじゃったのかな?」と心配になるかと思います。
もしかしたらサナギは冬を越す準備をしているだけかもしれません。
のんびり屋さんのサナギの色や動きをよく観察してみましょう。
まずは色です。越冬するサナギは茶系の色になることが多いみたいです。(うちのは違いました)
画像で調べてみると、枯れた木の枝を思わせるような茶色(黒っぽい色)になるみたいでした。
擬態の一種でしょうか?
もう一つは優しくつついてみることです。生きているサナギは、優しくつつくと動きます。
まったく動かなかった場合は、残念ながら死んでしまっているかもしれません。
茶色に蛹化したサナギでも、かわいそうに、死んでしまっているサナギもいました。
越冬した我が家のサナギ
我が家で実際に冬を越したサナギは緑色でした。
比較的小さなアオムシで、蛹化したのは2020年の10月中旬です。
そこから11月に入っても全く羽化せず、当時は死んでしまったのかと思いました。
しかしサナギは変色することもなく、いつまでも青々としています。
「もしかしたら、冬を越すかもしれない…」と家族で話し、暗くて静かな土間に虫かごを置き、みんなで見守ることにしました。
冬の間、サナギは特に変化するわけでもなく、色も形もそのままでした。
2021年、冬が終わり春になってもサナギが羽化する兆候は全くありません。
そこで虫かごを明るい場所にもどし、毎日誰かがソレトナク観察するといった日々を続けました。
5月中旬のとある晴れた日、突然羽化の前兆が!
5月に入り、天気のいい晴れた日の早朝、何気なくサナギを見てびっくりしました。
サナギ全体が黒味がかっていたのです。羽化の前兆です。
ゆずの枝は枯れてしまっていたので安定性が悪く、急遽割り箸で木の枝もどきを作成。
虫かごに橋渡しをし、サナギがついている枝ごとテープで貼り付けました。
七ヶ月の間サナギで過ごし、無事チョウに
早朝から観察すること約6時間。
越冬したサナギは、無事アゲハになりました。
サナギからチョウが出てくる瞬間も見ることができました!感動です!
考えてみれば10月中旬から5月中旬までサナギで過ごしており、約七ヶ月もの間、飲まず食わずでじっとチョウになれる日を待っていたことになります。
天気や気温で羽化のタイミングが決まると思いますが、いままでお昼頃に羽化したことはなく、そういったいみでも初めての経験でした。
というわけで、アオムシは『サナギになって越冬する』というお話でした。